「視覚障害者のパソコン環境」
大阪府立中央図書館 杉田正幸
1.はじめに
2.視覚障害者のパソコン利用の歴史
3.視覚障害者のパソコン利用
3-1視覚障害者のパソコン環境
3-2視覚障害者のパソコン利用の利点
3-3視覚障害者のパソコン利用の問題点
4.視覚障害者が用いるハードウェア
4-1点字ディスプレイ
4-2点字プリンター
4-3音声読書機
4-4デイジー図書再生機
5.視覚障害者が用いるソフトウェア
5-1スクリーン・リーダー(画面読み上げソフト)
5-2音声ブラウザ
5-3画面拡大ソフト
5-4メールソフト
5-5活字OCRソフト
5-6点訳ソフト
5-7自動点訳ソフト
5-8その他の視覚障害者用ソフト
5-9市販のソフトのスクリーン・リーダーへの対応
5-10フリーソフト・シェアウェアのスクリーン・リーダーへの対応
6.視覚障害者に対するパソコンボランティアに求められること
7.まとめ
8.参考ホームページ
視覚障害者の二つの障害として「移動の不自由」と「情報障害」が挙げられる。「情報障害」は活字情報をそのままの形で読み書き出来ない視覚障害者にとって長年の問題であった。しかし、パソコンの普及とスクリーン・リーダー(画面読み上げソフト)など各種支援技術の進歩は視覚障害者の情報環境を大きく変えた。パソコンによる文字の読み書き、インターネットからの情報入手、電子メールによる情報交換、スキャナーなどを使った活字情報へのアクセス、これらは視覚障害者が得られる情報量を大きく変えた。
現在、パソコンを利用出来る視覚障害者は少しずつ増えているものの、自らパソコンを使えるようになるまでには周囲の支援・サポートが必要である。その役目を果たすのがパソコンサポートボランティア(パソボラ)であり、現在、その活動が社会から注目されている。
- 1984年: 株式会社高知システム開発が日本語点字ワープロ「AOK点字ワープロ」の開発・発売。音声を頼りに文書作成が可能になる。
- 1988年: 日本アイ・ビー・エム株式会社が「IBMてんやく広場」を開設。パソコン点訳の普及と点字図書データの共有化を図る。1994年にはパソコン通信方式で「てんやく広場」を視覚障害者が自宅から利用可能に、2001年からインターネットでサービスを開始。名称も「てんやく広場」から「ないーぶネット」と変更され、運営も全国視覚障害者情報提供施設協会が行う。
- 1990年: ケージーエス株式会社が、国産の点字ディスプレイ「ブレイルノート 40A」を発売。
- 1991年: 日本盲人会連合が、新聞情報等を点訳し、即時に全国の点字図書館等で受信できる「点字情報ネットワーク事業」を開始。2003年から「点字ニュース即時提供システム」としてインターネットでサービスを開始。
- 1990年代: パソコン通信の普及。視覚障害者もMS−DOS上で音声装置を用いて電子メール、新聞などの情報へのアクセス、CD−ROM辞書の検索が可能となる。
- 1995年: Windows95が発売。テキストベースのMS−DOSは文字中心であったため、視覚障害者に利用しやすかったが、GUIは画像中心で視覚障害者に利用しにくくなった。日本語化の問題もあり、2、3年遅れてWindows用スクリーン・リーダー(画面読み上げソフト)が複数発売される。
- 1990年代後半: インターネットの普及。ウェブのテキストを主体にしたブラウザとして、lynxなどが利用された。その後、「ホームページ・リーダー」や「ボイス・サーフィン」などの音声ブラウザが開発される。また、スクリーン・リーダーで「インターネットエクスプローラ」が利用可能となる。
- 1996年: パソコンとスキャナーを利用して一般の図書や文章を読み上げる国産の「活字OCRソフト」が発売される。一般のOCRソフトでもスクリーン・リーダーと併用して利用出来るソフトも少しずつ出て来ている。
- 1997年: デイジー(DAISY)が録音図書の国際的な標準規格となる。日本でも点字図書館を中心にカセットに代わる録音図書としてデイジー図書が積極的に製作される。また、デイジー図書をインターネットで配信する事業も公共図書館及び点字図書館でそれぞれスタートした。
- 1999年: 日常生活用具の給付事業で盲ろう者(視聴覚二重障害者)に対して点字ディスプレイが対象になる。
- 2001年: 障害者情報バリアフリー化支援事業が5年間という期限付きで始まる。重度の視覚障害者、または上肢障害者が、情報機器を使用する際に必要となる周辺機器やソフトウェア等の購入費を、国と都道府県または政令指定都市が行う助成制度。
視覚障害者がパソコンを使用する場合、一般的に特殊なパソコンを使うのではと思われてしまうことが多い。しかし、パソコンは健常者の人が用いるパソコンと同じものが使用出来る。視覚障害者がパソコンを用いる場合は、市販のパソコンにスクリーン・リーダー(画面読み上げソフト)、画面拡大ソフト、音声ブラウザなどを導入して使用することになる。なお、現在、これらの環境はWindows環境のみ実現されており、Macintosh環境は使用することが出来ない。
視覚障害者がパソコンを利用する際の特徴とパソコン購入の際の配慮についての主なものは次の4点である。
- 視覚障害者はキーボード中心にパソコン操作を行う:
<特に全盲者はパソコンをキーボードのみで操作する。スタートメニューを開くには「ウインドウズキー」、アプリケーションのメニューを開くには「ALTキー」、アプリケーションを終了するには「ALTキーを押しながらファンクション4キー」など。Windowsの操作は殆どがキーボードから行うことが出来るので、サポートする側はそれら操作を身につける必要がある。パソコン購入に際してはキーボードの手前に「タッチパネル」があり、それを用いることでマウス操作が出来る機種などは避けた方が望ましい。
- 弱視者のニーズはさまざまである:
弱視者は個人差が大きく、見え方に寄って個別の対応が求められる。画面拡大のみで利用する人、スクリーン・リーダーとの併用、スクリーン・リーダーだけで利用する人とさまざまである。画面拡大の場合も専用の画面拡大ソフトを利用する人、Windowsやアプリケーションのフォント設定だけで利用出来る人、ハイコントラストを利用する人とさまざまである。パソコンの機種によっても見やすいもの、見にくいものがあるので、購入の際にも注意が必要である。
- 入力の方法はローマ字入力、仮名入力、点字入力の人がいる:
視覚障害者がパソコンを使用する場合、健常者と同じようにローマ字や仮名入力する人、6点方式の入力をする点字入力(6点入力)の人とがいる。6点入力とはパソコンの任意の6つのキーを点字入力キーとして使う入力方式で、一般的にはホームポジションの6つのキーを点字キーとして用いる。「F」のキーが点字の1の点、「D」のキーが2の点、「S」のキーが3の点、「J」のキーが4の点、「K」のキーが5の点、「L」のキーが6の点となるいわゆるアポロ入力が主に用いられる。点字で「め」という文字を入力する場合は、これらの6つのキーを同時に押すことになる。点字入力はスクリーン・リーダーの機能に組み込まれており、また、別途、点字入力をする専用ソフトも発売されている。パソコンの中には、これら6つのキーを同時に押すことを受け付けてくれない機種が多数存在するので、点字入力を希望する人の場合には購入時に確認が必要となる。
- キーボードは使いやすく、全てのキーがあるものを使用する:
最近のパソコンはノートパソコンだけでなくデスクトップパソコンでもキーボードの小型化が進んでおり、一部の機能キーが省略されていることがある。例えば、「HOMEキー」、「ENDキー」などが「FNキー」と組み合わせないと使えない機種も多数存在している。しかし、これらのキーは視覚障害者がキーボード操作でよく用いるので、購入の際に注意したい。
- パソコンで文字を書くことが出来ることで墨字情報の発信が可能
- インターネットからニュース、スポーツ、趣味、生活情報をはじめ、多くの情報を得ることが出来る
- OCRなどを用いれば活字情報に自由にアクセス出来る
- 電子メールにより、双方向のコミュニケーションが可能
- これらを総合的に組み合わせることで、職業の幅が広がる
- パソコンや周辺機器、視覚障害者用のソフトは高価であり、個人で購入が難しい。パソコン等の給付制度がない為、十分普及していない
- 視覚障害者用のソフトはOSなどの進歩に追いつかず、視覚障害者は一世代前のOSを使わざるを得ない
- 視覚障害者が利用可能な市販アプリケーションが少ない為、視覚障害者雇用に結びつきにくい
- 視覚障害者用の機器やソフトに精通した指導者の不足
- 視覚障害者のパソコン利用をサポートする人の不足
視覚障害者の中にはパソコンの画面情報を音声だけでなく点字出力を併用して利用する人も多くいる。また、盲ろう者など音声でのパソコン利用が困難な人は点字出力を利用する。そのために点字表示装置「点字ディスプレイ」(点字ピンディスプレイ、ピンディス)がある。点字ディスプレイは、カーソル行の、あるいは、ポインター位置の文字がピンの凹凸で提示されるようになっている。この装置を使うには、その出力をサポートするソフトウェアと組み合わせてコンピュータから利用される。1台50万円前後の機種が中心で個人での購入は難しいが、盲ろう者は日常生活用具給付制度で補助を受けられる。
- ケージーエス株式会社: ブレイルノート46D、ブレイルノート46X
- 有限会社 ジェイ・ティー・アール: ALVA544JPサテライト、Vario40
- 株式会社日本テレソフト: 清華
- 株式会社アスク: ASKKてんてん
この他、点図表示装置としてケージーエス株式会社からドット・ビュー DV-1とDV-2が、点字電子手帳としてブレイルメモ BM16とBM24が発売されている。
点訳ソフトや自動点訳ソフトで作成した電子化された点字文書を打ち出す為の装置。個人で用いるような1台30万円台のものから業務用に用いる1台数百万円のものまである。中には点図を打ち出す機能を持ったものもある。
- 有限会社 ジェイ・ティー・アール: Lサイズ点字両面同時プリンタESA2000L、点字プリンター・プロッターESA721 Ver95、点字ラインプリンターESA 300Pro、点字両面同時ラインプリンターESA 600Pro
- 株式会社日本テレソフト: DOG-Multi、DOG-Basic32、両面打ち点字プリンターDOG-Pro32W
- テクノエイト株式会社: オーツキプリンタBT-3000、オーツキプリンタBT-201
- 有限会社 レンテック: TEN-10
- 株式会社アメディア: ジュリエット、ET、ロメオ、ブレイルエクスプレス150、ブレイルエクスプレス100、ブックメーカー
- 東京ソフトウェア株式会社: ブレイルエベレスト、ブレイルベーシックD
- ケージーエス株式会社: ブレイロ200、ブレイロ400S、ブレイロ400SR
- 有限会社アシストシステム: パーソナル点字プリンタTP-2000L、両面同時印刷点字プリンタTPR-2000
音声読書機はパソコンがなくとも、印刷された活字文書を音声で読み上げることの出来る単体の機器。読書機の上に印刷物を置き、本体の数個のキー操作で印刷物の読み上げを行うことが出来る。
- 株式会社アメディア: よむべえ
- 株式会社いづほPC事業部: よめまっせAD-01、よめまっせAD-02、よめまっせAD-03
DAISY(Digital Accessible Information System,デイジー)は国際的な録音図書の標準企画である。1枚のCDに数十時間の録音図書を格納でき、見出し、ページ移動、しおりを付けるなどの機能があり、それらの情報に自由にアクセスできるので、検索性の高い録音図書である。最近では、音声のみの録音図書でなく、テキストや画像も含んだマルチメディアDAISYも普及しており、視覚障害者だけでなく、学習障害(LD)や知的障害、その他、活字のままで読書が困難な人にも利用されている。
DAISYはここで紹介する専用の再生機を用いて聞くことが一般的であるが、パソコン用の再生ソフトも数種類ある。
- シナノケンシ株式会社: プレクストーク・ポータブルレコーダ PTR1、プレクストーク TK-300(従来製品)、プレクストーク TK-300B(従来製品)、プレクストーク PTN1(新製品)
- 株式会社メルコム: ビクタリーダー・プロ 800CP(従来製品)、ビクタリーダー・クラシック 100VRC(従来製品)、ビクタリーダー・クラシック 新型(新製品)、ビクタリーダー・クラシック プラス(新製品)
スクリーン・リーダーは、主に視覚障害者用に開発されたパソコンの画面を音声で読み上げるソフト。文書の本文を読み上げる他、ファイルのオープンやクローズ、メニューやダイアログ項目、アプリケーションが表示するメッセージ、入力内容など、画面上のさまざまな情報を、合成音声で読み上げることができる。スクリーン・リーダーでパソコン画面を全て操作できるのではなく、アプリケーションによっては音声対応出来ないものもある。
- PC-Talker XP(株式会社高知システム開発)
- 95Reader Ver.6.0(XP Reader)(株式会社システムソリューションセンターとちぎ)
- JAWS for Windows(IBM Version) Version 4.5(日本アイ・ビー・エム株式会社)
- WinVoice Ver.1.0(ニュー・ブレイル・システム株式会社)
スクリーン・リーダーとインターネットエクスプローラの組み合わせでインターネットの音声読み上げが可能であるが、視覚障害者に使いにくい面も多い。そこで、ウェブでの操作に特化した音声ブラウザがここで紹介するソフトウェアである。音声ブラウザでは、ウェブページ中のテキストや画像などに付けられた代替テキストを音声で読み上げることができる。
この内、ホームページ・リーダーでは、通常のテキストを男性音で、リンク部分を女性音で読み上げる。Javaスクリプト対応、フレームページ対応、表組の読み上げなどに対応している他、弱視者向けフォントサイズ変更やハイコントラスト表示への対応、効率的なナビゲーション機能(ジャンプ読み上げ、早送り読み上げ、ページ情報機能)などがある。
- ホームページ・リーダー Windows版 Ver.3.01(日本アイ・ビー・エム株式会社)
- ボイス・サーフィン Ver.3.0(株式会社アメディア)
- ALTAIR for Windows Ver.5(財団法人日本障害者リハビリテーション協会)
- VE2000(横田陽)
弱視や高齢者などで、画面のメニューやボタン、文字を拡大する場合に使用する。背景を黒にして白や黄色で文字を表示する方が見やすい人用に、画面反転機能の付いた製品もある。マイクロソフトのWindowsには標準で簡易画面拡大ツール「拡大鏡」が付属する。
- ZoomText 8.1 Magnifier(日本電気株式会社)
- マイクロソフト拡大鏡(マイクロソフト株式会社)
アウトルックなど一般のメールソフトもスクリーン・リーダーで利用可能であるが、ここで紹介するソフトは特に視覚障害者用に開発された音声読み上げに特化したメールソフトである。
- MYMAIL II(株式会社高知システム開発)
- ホームページ・メーラー(ホームページ・リーダーに付属)(日本アイ・ビー・エム株式会社)
- ユニメール Ver.1(株式会社アメディア)
- MMメール2(宮崎嘉明)
- Voice Popper(桂木範)
- ALTAIR for Windows Ver.5(財団法人日本障害者リハビリテーション協会)
スクリーン・リーダーと市販の活字OCRソフトの組み合わせで活字情報を読み上げ可能であるが、視覚障害者に使いにくい面も多い。そこで、音声読み上げに特化した活字OCRソフトがここで紹介するソフトウェアである。スキャナーの上に置いた活字図書や印刷物をパソコンの簡単なキー操作で読み込み、結果を音声で読み上げてくれる。
- MYREADX(株式会社高知システム開発)
- らくらくリーダー Ver.2.5(アイネット株式会社)
- よみとも Ver.5.5(株式会社アイフレンズ)
- ヨメール Ver.6(株式会社アメディア)
- よみ姫 Ver.1(株式会社アメディア)
点訳ソフトは点訳ボランティアがパソコン点訳をする際に用いるソフトで、6点またはローマ字、仮名、英数入力を行うことで点字文書を作成したり、点字プリンターを用いて点字印刷するソフト。視覚障害者は、点訳された点字図書データをパソコンを用いて読む人も増えており、その際、点字ディスプレイを用いて読んだり、音声出力を頼りに聞くことになる。ないーぶネットなどインターネット上の点字データをダウンロードし、上記の方法で点訳ソフトを用いて利用するケースが増えている。
- 点字編集システム 3.0 for WindowsR XP(テクノツール株式会社)
- ブレイルスター for Windows Ver.2(ニュー・ブレイル・システム株式会社)
- コータクン(つつじ点訳友の会)
自動点訳ソフトは漢字仮名混じり文書を分かち書きされた点字データに変換したり、変換結果を点字プリンターを用いて点字印刷する為のソフト。テキストデータはもちろん、WordやHTML文書、PDF文書も点字に変換することの出来るソフトもある。点訳結果は完全とは言えず、専門家が点訳ソフトなどを用いて誤字のチェック、点字表記(升空け)のチェックが必要となる。
- EXTRA for WIndows Ver.3(株式会社アメディア)
- ブレイルブリッジ for Windows Ver.1(ニュー・ブレイル・システム株式会社)
- IbukiTen(いぶきてん)(岐阜大学工学部応用情報学科池田研究室)
- お点ちゃん(Katman)
視覚障害者専用のソフトとして、その他には、音声ワープロソフト、住所録・宛名書きソフト、キーボード練習ソフトなどがある。下記にその主なものを紹介する。
市販のソフトの中にもスクリーン・リーダーで十分利用出来るソフトは多くある。下記にその主なものを紹介する。
フリーソフト・シェアウェアの中にもスクリーン・リーダーで十分利用出来るソフトは多くある。これらのソフトの中には視覚障害者の音声対応への強い要望に応えてスクリーン・リーダー対応を図ったものも多くある。下記にその主なものを紹介する。
以下に挙げる「視覚障害者に対するパソコンボランティアに求められること」は私個人の意見であり、それぞれの組織によって詳細は異なる。
- これまでパソコンを使ったことのない人へのサポート・購入相談: 障害の状況・特性、その人の目標を把握し、その人に適したIT環境を構築する。購入に際しては多くの周辺機器やソフトを体験し、その人に合ったものを見つけることが重要である。パソコンボランティアは多くの障害者支援機器やソフトに精通し、初心者に適切な助言・支援を出来ることが求められる。
- OSのインストール: OSのインストール時は音声が出ない。健常者であれば、ある程度のパソコン知識があれば、自らOSのインストールを行う。しかし、視覚障害者は見えないが為に、これら作業を自ら行うことが出来ない。OSが立ち上がらなくなったら、その都度、業者を呼んでいたら、経済的にも負担が大きい。その際、ある程度、OSの知識のある視覚障害者に対しては、OSのインストールの際の目の代わりになるようなサポートが必要である。
- 周辺機器の増設: 周辺機器の接続に際しては視覚障害者に墨字のマニュアルの朗読をしたり接続のサポートを行うなどが必要となる。また、自分で取り外しすることも考え、どのように接続したかも十分に触ってもらい、理解してもらっておく必要がある。ディバイスドライバーの組込みの際も、墨字のマニュアルの朗読が必要となる。また、インターネットや葉書によるユーザー登録のサポートも必要になる。
- スクリーン・リーダーのインストールと初歩的な操作方法のサポート: スクリーン・リーダーのインストールについては視覚障害者をサポートする上で重要である。特に複数のスクリーン・リーダーをインストールする場合や視覚障害者用ソフトをインストールする際は、不具合が出ないよう、十分、相性などを考えてインストールを行う。PC−Talker、95Reader、JAWS、WinVoiceとそれぞれ操作が異なるので、それぞれのスクリーン・リーダー上でのWindows操作の概要を理解し、サポート出来るように心がける。
- ソフトウェアのインストール: パソコンを使いこなせる視覚障害者は容易に出来るが、そんな人たちでも、シリアル番号が読めなければインストールが出来ないし、墨字のマニュアルが読めないが為にインストール出来ない場合がある。そんな際は視覚障害者の目の代わりになることも重要な役目である。
- ソフトウェアの使い方: 視覚障害者専用のアプリケーションソフトはもちろん、市販のソフト、フリーソフト、シェアウェアを含んだソフトのキーボード操作を理解する。サポートするソフトについては前もって全てキーボードで操作して置くことが重要である。サポートの際はスクリーン・リーダーが読み上げてくれない画面情報の解説などを行い、必要以上に手を出さないことにも気を付けたい。
視覚障害者は全国に30万人いると言われているが、パソコンを十分に使いこなしている視覚障害者は1万人を越える程度と言われている。それは市町村での視覚障害者を支援する人材の養成が不十分であり、その結果から視覚障害者がパソコンを学ぶ機会が少ないことが大きな問題と考えられる。視覚障害者のパソコン利用を支援する人材の養成が今後の視覚障害者が情報障害者にならない為の、最大の課題であると言えよう。
- 視覚障害者に利用可能と思われるWindowsソフトウェア一覧(杉田正幸)
URL: http://j7p.net/soft/
- こころリソースブック(こころリソースブック編集会)
URL: http://www.kokoroweb.org/
- 視覚障害者用アクセス技術製品データベース(東京女子大学・現代文化学部 小田浩一)
URL: http://www.twcu.ac.jp/~k-oda/AccessBlind/
- 障害者情報ネットワーク ノーマネット(財団法人日本障害者リハビリテーション協会)
URL: http://www.normanet.ne.jp/
- アクセシブルなウェブをめざす提供者と利用者のための実用サイト(A.A.O.)(アライド・ブレインズ株式会社)
URL: http://www.aao.ne.jp/
- IBM バリアフリーの扉(日本アイ・ビー・エム株式会社)
URL: http://www-6.ibm.com/jp/accessibility/
- 画面を見ないでWindowsパソコン(石山朋史)
URL: http://www.lares.dti.ne.jp/~tomof/
- ルーモ21 Windowsがしゃべるんです(パソ吉)
URL: http://lumo21.net/
- 点字入力の可能なキーボード(ボイスネット)
URL: http://park1.aeonnet.ne.jp/~voicenet/6ten.htm
- JD・パソコンボランティア支援センターWeb(日本障害者協議会(JD))
URL: http://www.psv.gr.jp/
- 大阪府ITステーション(社会福祉法人 大阪障害者団体連合会)
URL: http://www.itsapoot.jp/
Copyright(C)2004 杉田 正幸(Masayuki Sugita)
URL: http://j7p.net/
最終更新日:2004年11月25日