全盲男性、図書館司書に
パソコンで夢を実現−−大阪府立図書館

 大阪府教委の図書館司書に、目が全く見えない埼玉県加須市出身の杉田正幸さん(29)が採用され、3日、辞令を受けた。公立図書館で働く全盲の図書館司書は全国でも珍しく、大阪府の府立図書館では初めて。2週間の研修の後、府立中央図書館(東大阪市)に配属される。

 杉田さんは先天性の視覚障害で、1992年、埼玉県立盲学校専攻科を卒業後、マッサージ師などとして勤務していた。本好きで「パソコンを利用すれば、図書館司書もできる。最後の挑戦をしてみよう」と96年、国立筑波技術短大(茨城県つくば市)に入学、近畿大学の通信教育で図書館司書資格を取った。今年1月に行われた採用試験では、61・3倍の競争率をくぐり抜けて合格。杉田さんは「夢が実現できた。慣れない土地で不安もあるが、後に続く視覚障害者のためにも頑張りたい」と辞令を手に、緊張気味に抱負を述べた。【粟飯原浩】

■写真説明 辞令を受ける杉田さん=大阪市中央区大手前の府教委で3日午前9時10分
(毎日新聞大阪夕刊、2000年4月3日、11頁)


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最終更新日:2004年7月30日