全盲の図書館司書、大阪に誕生 府で初 点字付きの辞令を受け取り |
図書館司書の辞令を受け取る全盲の杉田正幸さん=3日午前9時5分、大阪府庁で |
大阪府教委は今年度、全盲の杉田正幸さん(29)ら8人を府立図書館司書として採用し、3日午前、辞令を交付した。大阪府が全盲の司書を採用するのは初めてで、府教委によると、全国的にも珍しいという。
今年度の司書募集は障害者のための特別選考がなく、杉田さんは61.3倍の一般選考に応募して合格した。府立中央図書館(東大阪市)に配属され、桝谷真一総務課長から点字付きの辞令を受け取った。
埼玉県加須市出身の杉田さんは先天性の弱視で、中学生のときに視力を失った。埼玉県立盲学校を卒業後、針きゅう師として整形外科病院に勤務したが、司書を目指して、筑波技術短大で情報処理を学んだ。さらに、近畿大の通信制で、20数冊の参考書をボランティアに点訳してもらうなどして司書資格を取った。
杉田さんは「試験は難しいが、夢に向かっていかないと道は開けないと思った。司書として、点字関係だけでなく、音声対応パソコンなどを使って一般の図書館業務もこなしていきたい」と抱負を語った。
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