日本障害者協議会のパソコンボランティアMLのメールを転送します。 前回、流したレポートを敷衍した意見ですので是非お読み下さい。 支援費制度の改悪については、重度障害者と身近に接触していない我々にとっ て、どう伝えるかも問題です。 そして、どうやって代弁してあげるのかも考える必要があります。 ------------------ここから原文------------------ <<<「制度」と「言葉」のマジックの裏で進む福祉の切り捨て>>> 今後の国の福祉政策全体が切り捨てへと向かうことを示す事件が起きている。 今年4月から始まる障害者への支援費制度のサービス時間に上限が設けられる ことが全く突然厚生労働省から通告された。 支援費制度とは、障害者の自立と社会参加を促すため、国や地方自治体が必要 な額を支給する制度だ。 それに対する国の支援費の上限が120時間程度に突如打ち切られることが決定 事項として告げられた。 これは重度の障害者でも日に4時間しかサービスを受けることができないこと を意味する。 厚生労働省は「残りの時間の支援は各地方自治体に任す」と言う。しかし、こ れは支援費制度の発足に向けてサービス時間の上限は設けないようにと自治体 に指導して来たこれまでの厚生労働省の方針と全く相反するものであり、自治 体側ではまだ何の準備もできていない。事実上の見切り発車であり、これまで 地域で支援されて暮らしてきた障害者を施設に押し戻す内容だ。 しかも、その一方「施設から地域へ」という言葉のもと、施設自体への援助も 減らされる傾向にある。つまり、新たな制度と言葉の中で、障害者は施設から も地域からも見放されるかたちとなる。 しかし、この件は世間に知られていない。そもそも支援費という言葉さえ知ら れていない。 新しい制度ができ、新しい言葉が生まれることで、障害者間でさえ情報が混乱し 、全体像が把握できにくくされている。 厚生労働省は支援時間の上限設定の根拠として、支援費の予算が280億円しか ないことを挙げ、障害者ひとりあたりのサービス費の単価から逆算した時間と して120時間は譲れないと主張している。 ならば、業者を競合入札にする、サービス時間ではなく支給額を決めて障害者 当事者に付与し当事者にコスト意識を持たせるといったことで、全体的なコス ト削減を計ることも考えるべきだろう。 すでに欧米ではこうした方法で国家支出を減らしてきている。 そのような議論がまったくなされない中での制度のひとり歩きである。 なぜ重度障害者に対する支援が切り捨てられるのか。 それは、大きな声になりにくい、最弱者であるからだ。 日本経済が冬の時代に向かいつつある今、声の小さな部分から福祉の切り捨て が開始されたのだ。 銀行とゼネコンは税金で助けてもらっていつまでも自立しない。 しかし、弱者には自立が強要される。 その意味で、これは重度障害者だけの問題でない。 次に同様の手法で切り捨てられるのは、視覚障害者であるかもしれない、聴覚 障害者であるかもしれない、精神障害者であるかもしれない、高齢者であるか もしれない、母子家庭であるかもしれない、失業者であるかもしれない。 いつ、誰にこのような「天災」が降りかかってくるか分からない。 厚生労働省は今なお見切り政策のゴリ押しを続けており、1月28日の「都道府 県主管課長会議」でそれを確定しようとしている。 それが通るかどうか。 その観点から、どうか、この件の成り行きに注目してもらいたい。 http://homepage2.nifty.com/dpi-japan/dpi-japan.htm 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 長谷川 俊雄 toshio.hasegawa@nifty.ne.jp 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Received: from mail503.nifty.com (mail503.nifty.com [202.248.37.211]) by sl.sakura.ne.jp (8.9.2/[SHINGUJI/SAKURA-990115]) with ESMTP id XAA11590 for <windows@sl.sakura.ne.jp>; Mon, 20 Jan 2003 23:28:46 +0900 (JST) From: toshio.hasegawa@nifty.ne.jp Received: from toshio.hasegawa (usgm009n211.ppp.infoweb.ne.jp [211.133.39.211]) by mail503.nifty.com with SMTP id h0KESUkE003438; Mon, 20 Jan 2003 23:28:30 +0900 MIME-Version: 1.0 Date: Mon, 20 Jan 2003 23:29:41 +0900 Subject: [windows:12302] Fwd: Re:支援費制度研修会 To: 港PCクラブ<minato-pc@egroups.co.jp>, 視覚障害者ML<windows@sl.sakura.ne.jp> Cc: ishida@keiyu.com Message-ID: <JN20030120232941.11311544@nifty.ne.jp> Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Transfer-Encoding: 7bit X-Mailer: JsvMail 4.0 (Shuriken 2.2) X-Priority: 3 Sender: owner-windows@sl.sakura.ne.jp X-ML-Sequence: 12302 X-ML-Name: windows Precedence: bulk Reply-To: windows@sl.sakura.ne.jp |