長谷川貞夫@東京都練馬区です。 複数ml投稿で、また長文でご迷惑かと思いますが、不要な方は読み飛ばして 下さい。 (以下は転載自由です。) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【昭和56年12月19日がパソコンを用い点字キーで日本語を書いた日】 「視覚障害者における日本語の漢字入力事始めからテレサポートまで」 長谷川貞夫 E-mail: pbb00564@nifty.ne.jp テレサポートNET http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/ (2/3) 本格的に漢字の使えるパソコンFM−8(エフエム エイト)とは、 「富士通」と「マイクロコンピュータ」の頭文字を取り、それに、 8ビットCPUの「8」を加えて命名されたものである。 当時はパソコンでは、まだ8ビットのCPUが最先端のものであった。 FM−8は、本体とキーボードが一体となったものであり、 価格は、本体だけで21万8000円であった。 形と大きさは、横:50cm、縦:36cmで、最前部の高さが5cm、 最後部の高さが12cmの傾斜形だった。 このパソコンをプログラムを開発して日本語ワープロとして使うには、 全角の非漢字と漢字のROMを別に購入しなければならなかった。 この両方で、ROMは4万円であった。 プログラムを収納する外部メモリーとしては、 今では信じられないかもしれないが、単純なゲームなどでは、 通常の録音などに用いるカセット・テープレコーダーだった。 ところが、これは信頼性が低く、また非常に低速だった。 一方、高速な記録装置には、新しく開発されたバブルメモリー装置と、 それに5インチ・フロッピーディスク装置、8インチ・フロッピーディスク装置が あった。 私は日本語ワープロのプログラムのメモリー用に非能率な通常の カセット・テープレコーダーを、使うことはできないと考えていた。 さりとて、5インチのフロッピーディスク装置は33万円で、 本体の1.5倍も高価だった。 ところが、その当時うまいことにバブルメモリー装置が開発され発売された。 このユニットの価格は、8万5700円でフロッピーディスク装置の 約4分の1で負担は少なかった。 FM−8の本体右奥の上面に、横:22cm、縦:10cmの蓋があり、 その下に取りつけた。 このユニットに、タバコの箱より少し小さいバブルメモリー・カセットを 2個差し込むようになっていた。つまりツードライブであった。 このメモリー容量は、1個で32Kバイトで、価格は、3万5000円もした。 今日の1メガのフロッピーディスクに換算すると、フロッピー1枚が 約140万円ということになる。 ディスプレイ装置は、カラーのものがモノクロの4倍も高かったので、 4万8600円のモノクロにした。 パソコン用の漢字プリンターはまだなく、半角文字用プリンターで、 画面に書かれた全角の仮名と漢字の文を、画面の絵として、 ワイヤードットで印刷するようにした。 このシリアル・ドット・プリンターが、14万2000円であった。 これらの金額を合計し、細かいケーブル類などの価格を加えると パソコン関係だけで、最低約58万円になった。 このほか点字キーボードの価格も計算に入れる必要があった。 昭和56年の8月末頃に、品物が入荷したという連絡が入った。 私は2セット分注文していたので、120万円の現金を持って秋葉原へ 急いだ。 ところでその当時の買物風景は、現在のパソコン売場のそれとは およそ違っていた。 いわば、戦争中から戦後にかけてのお米の配給所のような様相であった。 アスター・インターナショナルの秋葉原店の名前は、「コスモス」だった。 スポーツ用品店の2階にあって、私が行った時には、 既に20人ぐらいの客が並んでいた。 そして男の店員が、客の名前と注文票を確認しながら1人ずつ品物と 現金を引き替えていた。 秋葉原と言えば、電気製品の安売りであまりに有名である。 しかし、その秋葉原で私が買ったパソコン2セット分は、正価通りで 1円の値引きもなかった。 値引きより、この機械が速く買えたことを、私は浜田氏に感謝しなければ ならない気持ちだった。 それ程、FM−8は貴重な存在だった。 (3/3に続く)
Received: from smtp2.nifty.ne.jp (smtp2.nifty.ne.jp [202.219.63.54]) by sl.sakura.ne.jp (8.9.2/[SHINGUJI/SAKURA-990115]) with ESMTP id LAA20121 for <windows@sl.sakura.ne.jp>; Tue, 24 Dec 2002 11:05:28 +0900 (JST) Received: from dell1 (nttkyo087237.tkyo.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp [219.97.189.237]) by smtp2.nifty.ne.jp (8.9.3+3.2W/3.7W-991025) with SMTP id LAA18526 for <windows@sl.sakura.ne.jp>; Tue, 24 Dec 2002 11:05:26 +0900 (JST) From: Hasegawa Sadao <pbb00564@nifty.ne.jp> To: windows@sl.sakura.ne.jp Subject: [windows:11790] 昭和56年12月19日が パソコンを用い点字キーで日本語を 書いた日(長文、2/3) X-AppName: UNIMAIL Ver.1.62(124) Date: Tue, 24 Dec 2002 11:06:58 +0900 Message-ID: <67deccef3e8c.41a7@smtp.nifty.ne.jp> X-Mailer: InternetPost for Active Platform 1.0.70.10007 (Runtime Edition) MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Sender: owner-windows@sl.sakura.ne.jp X-ML-Sequence: 11790 X-ML-Name: windows Precedence: bulk Reply-To: windows@sl.sakura.ne.jp |