メーリングリストアーカイブ

メーリングリストアーカイブ [記事番号:962]

[windows:0962] スクリーンリーダー使用時の耳への負担

　こんにちは、統合システム研究所の藤沼です。
ＤＯＳの音声装置（ＶＳＵ）やＷＩＮＤＯＷＳを９５ＲＥＡＤＥＲの音声を使用
して長時間パソコンで作業をした際に特定の周波数の音域が聞こえにくくなる、
または、耳が痛くなる方々がいらっしゃるという報告が入っています。
　ＶＳＵや９５ＲＥＡＤＥＲの音だけに問題があると言うよりは、音声ディスプ
レイだけで集中した作業をした際に起こる耳及び聴覚関連機関へのストレスの問
題ではないかと予測できます。
１０年程前に、ＡＯＫの音声装置が発売された時、既にこのことは一部で予測さ
れており、将来起こりうる問題として私も各方面へお話しした事はあったのです
が、当時は音声ディスプレイでの使用がワープロを中心とした一部の機能に限ら
れていたためさほど問題視されなかったようでした。
　ＷＩＮＤＯＷＳが主流になり、仕事や研究現場でのパソコン使用が当たり前に
なり、各種のスクリーンリーダーが登場し、雇用者側でも視力障害者の雇傭に際
してはパソコンの使用が必用条件の一つとなり、スクリーンリーダーで日々の仕
事を行うようになると、多くの視覚障害者はぱそこんの使用を余儀なくされ、使
用者が急増してくると、合成音声使用による特定音声帯域の難聴傾向が現れる確
立は高くなりつつあります。
　日本語のような開音節の言語では立ち上がりの１００ＭＳ以内の子音でなんの
文字かが決まってしまいますので、数ＫＨＺ以上まで伸びた音素やオーディオ回
路が必用です。しかし、高音域まで伸びたオーディオ回路を使用する場合、音声
に含まれる奇数次の成分レベルが高いと、聴感上不快に聞こえるばかりでなく、
高調波による耳への負担も大きくなります。ＶＳＵや９５ＲＥＡＤＥＲの音声は
ホームページリーダー等で使用されているＰＲＯＴＡＬＫＥＲと比べると'DUTY'
が
大きいので小音量でも聴感上大きく聞こえますが、
エンベロープの変化が平坦であるために長時間の聴取では著しい疲労感を伴うケ
ースが見られるようです。
　統合システム研究所のグループは、これらの問題に対して以前から検討をして
きました。以前はＶＣＡを用いたアナログエキスパンダー回路とカットオフ周波
数固定のアクティブフィルターを付加することで幾分かの改善を見ることができ
ました。
今回は、更に、ＶＣＦをエンベロープの変化に応じて可変視、明瞭度と疲労感を
減少させる試みによりさらなる改善を見ることができました。
　しかし、この実験は、アナログ的な方法にすぎません野で、根本的な解決には
、音素のパラメーターの変更による声の立ち上がり時間の変更や、エンベロープ
の可変（プロトーカーでは\CHR=MONOTONE, \CHR=NORMAL, \CHR=EXCITED）等の制
御が外部からできることも必用と思われます。
　これらの事についてはあくまでもディジタル的に処理されるべきであると我々
は考えています。
　これらの事柄に付いてはユーザーを被験者にしてきちんとした評価法を確立す
る事が望まれます。
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                                                      Teruyoshi Fujinuma
                                INTEGRAL SYSTEMS TECHNICAL ADVANCED LAB.
                                     E-mail : istal.teruyoshi@nifty.com
                                                    phone : 0280-31-7224
                                                         +81-280-31-7224

Date: Fri, 16 Jun 2000 09:58:20 +0900
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Subject: [windows:0962] スクリーンリーダー使用時の耳への負担
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