国立国会図書館障害者選考採用(係長級)への合格について(ご報告)(杉田正幸)


                    2019年7月16日

関係各位



                 杉田正幸
大阪府立中央図書館読書支援課障がい者支援室
日本図書館協会障害者サービス委員会関西小委員会委員長
日本図書館協会認定司書第1138号

国立国会図書館障害者選考採用(係長級)への合格について(ご報告)

 日頃より大変お世話になり、ありがとうございます。
 2000年(平成12年)4月に大阪府に司書として採用され、今年度で20年目となります。この間、大阪府立中央図書館の障害者サービスに視覚障害当事者として携わってきました。これまで仕事でお世話になりましたみなさま、いろいろとご協力・ご支援いただいたみなさまに厚くお礼を申し上げます。
 私は2019年(令和元年)7月12日に発表となりました「平成31年度国立国会図書館障害者選考採用」の「一定の実務経験や調査・研究経験に基づき、当館業務に従事する職員(係長級)」に合格しましたことをご報告いたします。
 勤務開始日については現在調整中ですが、来年2020年(令和2年)には国立国会図書館で働くこととなりました。
 国立国会図書館への視覚障害者の採用については視覚障害者読書権保障協議会(略称「視読協」)が1970年の結成当初から取り組んできたテーマでした。そして、視読協などを中心とした7団体で「国立国会図書館の障害者サービスを考える連絡会」が1992年10月に結成され、サービス向上には障害者の参加が欠かせないと、国立国会図書館に視覚障害者の雇用を求めて運動をしてこられました。国立国会図書館の点字試験実施の請願は、1994年に衆参両院で採択されましたが、その後も残念ながら受験希望があるにも関わらず点字試験は行われてきませんでした。
 このほど、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものを対象に「平成31年度国立国会図書館障害者選考採用」が行われ、点字使用者である重度の視覚障害者も初めて対象となりました。障害者選考採用の試験区分は以下の二つでした。
(1)一定の実務経験や調査・研究経験に基づき、当館業務に従事する職員(係長級)
これには職種例として、「国会サービス(調査業務)」、「図書館サービス一般」、「視覚障害者等図書館協力サービス」の三つが例示されました。
もう一つは
(2)当館業務に従事する職員(係員級) でした。
係長級には35名が応募し5名が合格、係員級には37名が応募し合格者はいませんでした。
 国立国会図書館ではこれまでに非常勤での視覚障害者採用の例はあるようですが、点字使用の視覚障害者が正職員として採用されるのは今回が初めてとなるようです。
 今後は、視覚障害当事者の立場でサービスに関わることとなります。国立国会図書館の職員のみなさまと協力しながら、関係者のご意見も聞き、自分のできることから始められればと思います。
 みなさまには、これまで以上にご支援・ご協力いただけますと幸いです。
 なお、残り半年程度は大阪府立中央図書館で働きます。引き続き大阪府立中央図書館にもご支援・ご協力お願いいたします。

以上

(参考)関連ホームページ




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杉田 正幸(Masayuki Sugita)
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掲載日:2019年7月16日、最終更新日:2019年7月16日